■□■ ホテルのコラム(第10回) ■□■
 レディーファーストとエスコート
 「レディーファースト」この言葉を聞けば、フランス料理のレストランやホテルでの女性優先のマナーってことぐらいは皆さんもお分かりになられるでしょう。
 しかしながら日本では慣れない習慣のようで、レストランに入るなり男性がさっさと歩いて席に着こうとされ、女性は後からついて来られるというケースが大変多く見受けられます。
そういう私もついついしてしまうことなので、他人のことをどうこう言える立場ではないのですが、この行為がサービス経験の浅い配ぜん人にとってはとても困ることなのです。
 と言いますのも配ぜん人も先輩から「レディーファースト」だから男性より女性のチェア−サービスをきちんとするようにと教えられているのです。しかし実際は、男性が女性をエスコートしながら入って来られるより、男性の後を女性がついてこられるケースの方が圧倒的に多く、イスを引こうとすると男性が座られ、男性のチェア−サービスをしている間に、女性が勝手に自分で座られているなんてケースがよくあります。どうもサービスマンとしては、気まずい思いをしていまうワンシーンです。
 「ここは決めねば!」という時の男性のエスコートが自然にできているカップルって、やはりホテルマンから見てもなかなかの紳士・淑女に見えるものです。お店に入ったら、軽く女性の背中に手を当ててエスコートし、イスに座る時にも、まず女性を座らせてから自分も座るなどの配慮が自然ととれる男性はカッコよく映ります。
 レディーファーストになるように男性がリードするべきがマナーで、男性リードを勘違いしてメンズファーストにならないように常から気を付けたいものです。
2001/1/12

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