■□■ ホテルのコラム(第12回) ■□■
供養という言葉の意味を聞いて
 「供養とは一体どういう意味か分かるか?」と質問されたことがあります。
みなさんならどう答えますか?
先祖の供養、仏の供養、花の供養、針の供養。京都の町にはお寺がたくさんあって、毎日どこかのお寺で何らかの供養が行われていると思うのですが、さて供養とはどういう意味なのでしょうか?
 神戸で震災が起きて6年目の今日、1月17日のテーマは「供養」ということにしました。
 この供養という言葉、イマイチよく理解できていない私に教えられたことは、「供養される対象の相手が一番求めていることを喜んで一生懸命してあげることだ。」ということでした。
 これってホテルのサービスにも共通することだなぁと思ったのです。
お客様が求めておられることを素早くキャッチして、自分からいつでも喜んでさせて頂くことは、簡単そうでとても難しいことです。
例えば、「お水を下さい。」ただこの一言だけのお客様の要求に対しても、真夏の暑い外から来られたお客様になら冷たい氷入りのお水がいいでしょうし、薬を飲もうとされるお客様ならちょっとお湯でも足したぬる目のお水がいいでしょう。
 まずは、お客様が何を要求しているかを考え、そういう要求に対応できるようにトレーニングを行い、最終的には要求されることはいつでも用意されていて、それ以上のものが提供される環境が作れたら最高ですよね。
 相手が何を求めているかを即座に考えて行動できるサービスマンになるには、マニュアルを覚えるだけではなれません。よく指導してくれる先輩と幾度もの経験が必要です。ホテルの向上には、全員が取り組むべきですが、まずその第一歩は、組織の中に一人でもそうしたことを意識するスタッフを作ることです。そのスタッフがよき指導者となれば組織は変わるでしょう。
2001/1/17

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